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お~い!竜馬 | 原作:武田鉄矢、作画:小山ゆう
27歳 | 女性 | 会社員 | 半田ふみ
私はこれまで、歴史に全く関心がない人間でした。
だって、過去のことは過去に生きた人にしか分からないし、今残っている資料だけでは歴史の真実なんて分からないと思ったんです。
それに、歴史は暗記ばっかりでつまらなし…。
そういった私の「歴史」に対する考えを、この作品はひっくり返してくれました。
まず、日本の歴史モノ=色気がなく泥臭いイメージがあったのですが、第一巻では、竜馬の姉たちをはじめ、女性という華が登場します。やはり、小山ゆう先生が描く女性は美しい!おかげで、歴史に興味がない女性読者でもかなり取っつきやすかったです。
そして、竜馬という人物の成長を追っているうちに、ジョン万次郎や吉田松陰、桂小五郎、高杉晋作といった、私でも名前くらいは知っているような人物が続々登場し、「ああ、この人たちは竜馬と同じ時代を生きた人たちだったんだ…」と感心してしまいました。
歴史の教科書で見て、テストに出るからと暗記していただけの出来事たちも、それがどういう出来事だったのか、どういう経緯でその出来事に至ったのか、竜馬の目を通して見ると本質がよく分かりました。
そういったことに感心する一方、ストーリーが純粋に面白く、私はどんどん作品にのめりこんでいきました。
そして、「竜馬の歴史」を描く以上、避けて通れないのが「竜馬暗殺」…。「最後に竜馬は死ぬ」ことは分かっていたのに、いざ目の前に突きつけられると、胸がえぐられるような思いがし、読後、かなり放心してしまいました…。
放心から覚めると、私はもう、竜馬と幕末という時代の虜になっていました。
この漫画を読むと、歴史の面白さが分かります。「歴史」というものは、もちろん真実が大切ですが、それだけではない、ということを、私はこの作品を通して知りました。