おすすめする本
リング | 鈴木光司
27歳 | 女性 | 会社員 | 半田ふみ
「リング」や「貞子」といったタイトルで、これまで何度も映像化されてきた名作ホラー小説「リング」。
私はホラー小説好きなのですが、この作品を手に取ったのはごく最近です。
最初は、正直「自分には合わないかも」と思いました。視点が一定ではなく、たとえば、主人公の心情が表された文のすぐ次の文で、それっきり登場しないような人物の心情が描かれていたりするんです。
私はふだん、三人称か一人称固定の作品ばかり読んでいたので、この書き方に慣れるのにはかなり時間がかかりました。
しかし、慣れると同時に、ぐいぐいこの作品に飲み込まれていきました。飲み込まれすぎて、怖かった。
主人公がくだんのビデオテープを見るシーンの描写なんか、実際に目の前でそのビデオが再生されていて、主人公が感じた恐怖や、主人公が肌で感じたおぞましい感触なんかが自分にも襲い掛かってくるようで、いったん本を閉じようか本気で思ったほどです。
途中で閉じるとかえって怖いので（次その怖いところから読み始めなければいけませんし…）何とか読み進めましたが、有名な作品じゃなかったら途中で放り投げていたかもしれません。有名で、「リングを読んでも死なない」って証明されているから、なんとか読み切れたのです。
それくらい怖い作品でした。
この作品を知らずに「ホラー小説が好き」なんて言っていた自分に反省です…。
