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烏の伝言 | 高田大介
39歳 | 女性 | 自営業 | ミュウミュウ
図書館の魔女という本の、スピンオフ版の物語で、もうドキドキワクワク、ハラハラ、感動と全ての本の良い要素を詰め込んだ作品です。高田大介さんの作る世界観がファンタジーなのに、すごくリアルに感じられ、時に本気で恐怖が襲い掛かってきます。
今まで、この異世界体験以上の経験をしたことがなく、私の人生史上で最高のファンタジーです。
特に烏の伝言は、社会的弱者のストリートチルドレンからお姫様から、殺し屋、敵か味方か分からない男やら山賊のような軍団から色々な人物が登場します。高田さんの作る世界観の中では、全てのキャラクターがとてもいとおしくなります。
殺し屋や敵は冷徹であり、恐怖を感じますが、最後にはみんなが今後なんとか生きていけるような道順をつけてくれるので、とても励まされるんです。物語だと分かっているのに、本当に安堵するような気持ちになります。
しかし、この本の難点は、漢字が難しいことです。むしろその点が、本読みたちに愛される理由なのですが、難しくてフリガナがないと読めない漢字も多いと思います。例えば、「驟雨」と読めますか?「しゅうう」と読むのですが、急に振り出す雨のことを指し、これからの展開の不安をかき立てられます。
他にもこういう難しい言葉がありますが、その意味するところはなんとなく検討がつき、こういう微妙なニュアンスの表現が日本語にはあるんだと、非常に感心します。