刊行30年たってもベストセラーの吉本ばななの「キッチン」

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キッチン | 吉本ばなな


30歳 | 女性 | 会社員 | ようこ

両親はいなくて身内は祖母しかいなかったみかげは祖母の死によりこの世でひとりぼっちになっていまいます。そこに手を差し伸べたのが祖母がよく行っていた花屋でアルバイトをしていた雄一と、雄一の父親でした。雄一の父親は性転換をしてえり子さんとして母になっています。この少し変わった3人で奇妙な共同生活がはじまります。
みかげも3人で暮らす中ですこしずつ2人に対して心を開いていき、だんだんと穏やかな日常に戻ってくる中で、祖母の死を受け入れ始めます。
そんな順調な毎日を送る中で、突然えり子さんに死が訪れます。雄一はえり子さんの死に向き合えず突然姿を消してしまいます。
穏やかな日々の中で突然死と生に向き合うことになる2人の感情が丁寧に描かれています。登場人物も少ないですが、しっかりとしたストーリーで長編小説を読んだあとのように読みごたえがあります。
そして、死とは何か、死を受け入れて生きていくということはどういうことなのか考えさせれた小説でした。
ぜひ中学生や高校生などの悩みを持った学生の方にも読んでほしいです。悩んでいることは突然解決することは難しいけれど、少しずつ向き合うことで乗り越えられるのだと教えてくれると思います。