2019年本屋大賞受賞の「そして、バトンは渡された」を読んでみました

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そして、バトンは渡された | 瀬谷 まいこ


28歳 | 女性 | 会社員 | yui

 この本を読んだあとの感想としては、とても心地よい気持ちになり、家族や恋人など自分の周りの人に愛情を伝えたいと感じました。
 主人公は両親の都合により、名字が四度変わることとなります。しかしながら、主人公はその事実に悲観すること無く、喜ぶこともなく、特に気にせず過ごしていきます。また、四度名字が変わる中で、両親も複数人登場するわけですが、この両親たちもそれぞれ個性があり、一見ダメ人間に思われる親もいるのですが、そべての親に共通しているのが、主人公のことを心から愛しているということです。その行動の中では、誤解を生んでしまうこともあるのですが、純粋無垢な主人公は最後にはそれが愛であることを感じ取ります。
 また、作品中には主人公の手作り料理や、大富豪の両親宅での豪華絢爛な食事、兄弟のような両親が毎日のように買ってくるスイーツなど食欲を非常にそそられる場面も描かれており、魅力の一つです。
 そして、クライマックスの結婚式のヴァージンロードでの、両親たちと主人公のやりとりは、血縁関係よりも強い心からの繋がり、愛の形を知ることができ、感動とともに、安心感やホッコリ感を感じることができる読んでよかったと思える作品です。