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爆音列島 | 高橋ツトム
22歳 | 男性 | 会社員 | CBR400F
この爆音列島という漫画は全日本狂走連盟「ZERO」という全盛期には約600人で構成されていた実在した伝説の暴走族を自身が荏原支部「荏原ZERO」のOBである経歴を持つ高橋ツトムさんが自伝物語として漫画にしたものです。私自身も地元が同じで親や友達の親から語り継がれてきた伝説の暴走族の話がまさかの漫画化されると聞いて連載が決まった当初は雷を打たれたような衝撃が体を駆け抜けとんでもなく楽しみで待ちきれませんでした。
爆音列島は主人公の加瀬高志という凄くおとなしい少年が友人に誘われ暴走族の集会に誘われ参加するが途中ではぐれてしまいその際に偶然出くわしてしまった他の暴走族の奴にボコボコにされる。そのことをきっかけに加瀬高志は仲間を集い「ZEROS」という暴走族を立ち上げる。爆音列島の1番の魅力は的確な表現力です。集会の際の道路の雰囲気(街灯など)や、バイクの排気音、集会での皆が和気あいあいと話している状況、解散の仕方等実際に経験している人ではないと出せない読者の心をつかむ絶妙な表現力です。私も読み始めてすぐに虜になりました。特に約2000人規模の集会だったとされる敵も味方も入り混じった伝説の大井集会の際の雰囲気とバイクの排気音の表現にシビれました。
爆音列島は加瀬高志が「ZEROS」を引退する際に田舎であった少年に自身の魂でもあるCB400Fを渡してしまいどこかに消えるシーンで連載は終了となりました。読み終わると何とも言えない虚しさが心を覆う男心をくすぐられる不思議な作品で是非おすすめです。