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永遠のゼロ | 百田尚樹
70歳 | 男性 | 自営業 | 千田ちまき
主人公の健太郎と姉の慶子は戦争中に死んだ祖父・宮部久蔵のことを調べ始めます。
特攻隊で死んだということしかわからないので、久蔵のことを知っていた人を訪ね歩いて話を聞きます。
でも、久蔵は弱虫だったとか人殺しだったとか、悪い話ばかり聞かされて2人ともうんざりします。
そして段々と戦争当時のことがわかってきて、戦争の残酷さ、久蔵が本当は人間の命を大切にしていたことがわかってきます。
読んでいると本当は戦争に行きたくないのに、家族のために特攻隊になって死んでいく久蔵や当時の若者たちの心情が胸に迫ってきて、泣けてきます。
そして元兵士が2人に語る戦場の様子がわかってくると、平和な今の時代の素晴らしさを心から感じることができます。
初めは小説の中の話だと思って読むのですが、読み進むうちに70年前に実際に行われた戦争だということが実感できて、どんな思いで久蔵や当時の人たちが死んでいったのかを思うと涙があふれます。
特に感動的なのは、久蔵は仲間には絶対に死ぬなと言い残して、自分は体当たりして死んでいったという事実です。
久蔵の忠告のおかげで生き残ることができた人が語る真実を知った時、主人公の2人だけでなく、読者も感動して泣いてしまいます。
戦争の残酷さと、家族を守ろうとして若くして死んでいった特攻隊のことがわかる本でした。