男はつらいよ、独男のぶらり九州傷心一人旅

旅行先

熊本城、知覧特攻平和記念館 | 大分県大分市、熊本県熊本市、鹿児島県鹿児島市、南九州市、宮崎県宮崎市


福岡県 | 会社員 | 31歳 | 男性 | KazyK

「もう、何もかも疲れた。そうだ旅に出よう。」

そんなことを思い立って仕事終わりに地元の福岡から大学時代を過ごした大分県大分市へ。

当時の僕は仕事でうまくいかず精神的に参ってしまっていたのです。とにかくもう何もかも終わりにして、ただ気の向くままに旅をしたい衝動に駆られて5万だけ握りしめて、いざ傷心旅行の始まりです。

大分市に到着したのはちょうど夜が明けた頃でした。公園の駐車場で仮眠をとって、大分ではそこそこ名の売れているラーメン屋へ。

大学時代に足繁く通った馴染みの店。チャーシューがこれでもかと言わんばかりに乗ったラーメンをすすりながら、「あぁ、学生時代はこんなのを平気でぺろっと平らげていたのか。俺も歳を取ったなぁ。」なんてしみじみしたおかげで、仕事をブッちぎって旅に出たことをちょいと後悔しました。しかし!そんなことは後の祭り!もう旅は始まっているのです。過去には戻れないぜ!

ラーメンをなんとか完食して一服しながら「さて、次はどうするかな?」としばし思案。どうせなら九州ぐるっとしてみようという思考のプロセスが全く理解できない結論に達して熊本遠征を決意!大分から阿蘇を抜けるルートで熊本へ無事到着。途中参拝した阿蘇神社、そして熊本城は先の震災で大きなダメージを受けており、絶賛傷心中の自分と変にリンクさせちゃって、さらに傷が深まったのでした。

心が満たされないなら、腹を満たさねば!ということで熊本名物の赤牛丼を堪能!

夜は、カプセルホテルでじっくりコトコト寝込みました。

夜が明けた熊本市。本日も晴天なり!気になる次の目的地は、鹿児島!一度訪れてみたかった知覧特攻平和記念館へ。

戦中、祖父が知覧飛行場へ配属されていたとの話を聞いたことがあり、在りし日の面影を探しに行って参りました。祖父の面影は見つけられませんでしたが、特攻の壮絶さ、10代で先陣に散っていった若者たちの生き様に触れられたことは本当に素晴らしい体験になりました。しかしながら、知覧って結構遠いのね。鹿児島市内へ戻った頃には長距離の移動でくたくた。格安のホテルを抑えて一泊。素泊まりの模範のようにただ寝ただけ!

南下の限界を迎えた旅路は、いよいよ北上開始です!大分、鹿児島ときたら、宮崎でしょう!いや、待てよ。宮崎って観光スポットあるの?「オッケーグーグル、宮崎の観光スポット。」便利な時代になったものです。そりゃ旅行誌が売れないわけだわ。文明の利器のおかげで、無事に青島という目標を設定できたわけでいざ出発。この日は生憎の空模様で、到着した頃にはしっかりと本降りに。それでも鬼の洗濯板はバッチリ拝めて目標達成!

しかし、この雨に打たれたことが災いするのです。

宮崎市内へ移動する最中に突如襲ってきた絶望的な寒気と頭痛。「やられた。」と思った時には時すでに遅し。ドラッグストアで体温計と風邪薬を買ったは良いものの、長旅の疲れも相まってそのまま御就寝。気づいた時には夜が明けてしまって、「こんなとこまで来て何やってんだか。」と我に帰ったのと同時に、自宅にも帰りました。

旅のその後は、仕事を休んだことを上司に平謝りして一度は復帰しましたが、結果的には辞めちゃいました。思いつきで飛び出した旅でしたが、この旅を通して、自分の弱さとか脆さを感じた一方で、色々なことを決断する踏ん切りがついた良い旅でした。