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村上春樹のわりと最近の話題作「騎士団長殺し」は久々の快作。読後感がよいです。

おすすめする本

騎士団長殺し | 村上春樹


61歳 | 男性 | パート・アルバイト | ヒロ

村上春樹作品を全部読むほどの、ハルキストではありませんが、学生時代に読んだ「羊をめぐる冒険」以来、話題作はだいたいは読んでいるつもりです。「1Q84」なども読みましたが、読んでいるときはたいへん面白いのですが、読後感がもう一つというか、あれっ⁉、という感じで終わってしまいました。
読後感があまり、というか、読んだ後何も残らず、物足りなさを感じることも多かったのですが、今回お話しする「騎士団長殺し」は読後感もよいです。
私にとっては、「羊をめぐる冒険」以来の快作で、「羊をめぐる冒険」に次ぐ作品です。
いつものように、登場人物の無意識下の冒険が繰り広げられますが、楽しく面白く読み込めます。
また、小説のストーリー最後のほうでは、東日本大震災のことも取り上げられ、将来に希望の光が見られるような結末です。
私は、小説作品は読後感も非常に大事だと思っており、そのところが、「羊をめぐる冒険」に次ぐ作品だと評価しているところです。
村上作品は、ご承知のように海外でも高く評価され、ノーベル文学賞候補にもなっていますが、今のところ受賞を逃しています。わたくしの思うところでは、作品のストーリー展開(文体も含め)が、自己満足にとどまるものだったら、ノーベル賞には値しないと思います。
また自己満足にとどまらず、開かれた作品でしたら、ノーベル賞も取るのではないかと思っています。

ある人が、その生き方が、自己満足の域を超えないのであればそれはそれだけのことであり、自己満足にとどまらず、その域を超え、外に開かれたものであれば、素晴らしい生き方をされるのではないかと思います。
文学作品も、自己満足にすぎない、自己完結のものでしたら、大きな賞は取るのは難しいと思っています。