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最近映画化で話題の「星の子」の原作を読んでみました。

おすすめする本

星の子 | 今村夏子


36歳 | 女性 | 主婦 | kumasa

読み進めていくと、とても切なく、なんとも言えない奇妙な体験をしたような、色々と考えさせられる気持ちになりました。私が主人公の立場だったら、どうするだろうか。「愛」についても、何が正解で、何が不正解なのかも分からなくなるようなお話しでした。父親、母親、姉、主人公の4人家族の中で、1番冷静で、1番愛する家族を守ろうとした姉が、見方によっては1番反抗的で悪者に見えます。主人公は、無邪気に両親の信じるものに従うので、とても素直な良い子に見えますが、それ故に両親から離れられず、気づいた時には周りから好奇な目で見られる立場となりました。姉は家を出て行ってしまい、両親の信じるものによって家族は壊れてしまいますが、それでも最後まで両親が目を覚ますことはありませんでした。両親共に、ずっと幸せそうに暮しているのがとても奇妙で、それを当たり前だと信じて疑うことなく可愛がられて育ち、後に両親の異常さに気付く主人公の戸惑いを、とてもリアルに感じられました。本当の「愛」とは何なのか、考えさせられます。一見、愛情深く、大切に育てられたように見える主人公は、はたして本当に大切に育てられたと言えるのか。主人公のその後の人生が気になりつつ、ストーリーは一見、幸せな形で終わりました。