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思い出のマーニー | ジョーン・G・ロビンソン/訳・越前敏弥、ないとうふみこ
33歳 | 女性 | 主婦 | manekineko
思い出のマーニーを読むと、昔、放送されていたハウス食品のテレビアニメシリーズを思い出してしまいます。
イギリスの街に住むアンナがこの物語の主人公です。
アンナは、養父母が自分を育てるために受け取っているお金について知ってしまい、それから周りへの見え方が変わってしまっていたようでした。
医者からは空気の良いところで過ごした方が良いと言われ、養父母の知り合いであるペグ夫妻の住む田舎町で療養することとなりました。
ちょっと早い夏休み。
だから、まだ田舎町は穏やかな空気が流れています。
この田舎の風景を文章から想像すると、ハウス食品のテレビアニメで描かれるような雄大で穏やかな空気が流れる場所を想像してしまいます。
アンナはこの街の中でも海辺にある大きな湿地屋敷が好きで、よくその姿を見に出歩くようになります。
湿地屋敷には誰にも住んでいないという話でしたが、なぜかアンナには時々そこに住んでいる人を見かけるように。
より一層気になるアンナは、ついに湿地屋敷に住むマーニーという少女と出会います。
彼女との交流の中で、自分の抱えている想いを少しずつ解消させていくのですが、ある日、その交流は途絶えてしまいます。
その日を境に、アンナはそれまでとは打って変わって湿地屋敷にこだわらなくなります。
彼女を変えた不思議な出来事のことを忘れているかのように…。
どこまでが現実で夢なのか、読んでいると分からなくなる部分もあるのですが、その幻想的な雰囲気が心地よい物語です。
子どもの頃、こんなふうな夏休みを過ごしたら、きっと特別なものになるだろうなと想像します。
その後明らかになるアンナ自身の本当のことも、胸を熱くさせてくれます。