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過去に映画化された感動小説を読みました。これまでの自分を顧みることができます。

おすすめする本

ツナグ | 辻村深月


18歳 | 女性 | 学生 | chaya

この小説は、一生に一度だけ死者との再会を叶えてくれる「使者」が、それぞれの想いを抱えている人たちと接して、生者と死者を会わせる話となっています。
「使者」は「ツナグ」と呼び、死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口で、「この世」の人の依頼を受け、「あの世」の人と会う場所を設定する役割があります。
この本の中では、「使者」に依頼された4つのエピソードがあります。いずれも、死んだ者たちに思いを残した生存者からの依頼で、彼らは、死者と再会することで、心に引っかかるものを解決していきますが、同時に、知らない方が良かったことも知って、状況を悪化させることもあります。
死んでしまった大切な人と会える感動的なものばかりではなく、心穏やかにさせてくれる話もあれば、後味悪い話もあったりして、読み応えがありました。登場してきた人たちの、死者に対する思いや会いたいという気持ちは様々で、それでもたった一度だけのチャンスを使ってでも一目会いたいという切実さがより強く感じられました。
この本を読んで、もし自分が「使者」の依頼人としたら、誰と会ってどんな話をするかについてよく悩んでしまいました。一生のうちに一人だけ選ぶことはとても難しいと感じる反面、生きているうちに大切な相手に迷わず伝えることが本当に大切だと身に染みて考えさせられる小説でした。