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これぞ女の物語「六畳御息所 源氏がたり」は、元ネタ知らなくても楽しめます

おすすめする本

六条御息所 源氏がたり | 林真理子


40歳 | 女性 | パート・アルバイト | あおりんご

言わずと知れた「源氏物語」を、六条御息所という女性目線で、語られていく話です。
初めて本家の源氏物語を読んだ時から、本当に六条御息所が苦手でした。
なので、タイトルを目にした時、読むのを少し躊躇しましたが、大好きな林真理子さんの一冊なので、
手に取って読んでみると、あっという間に夢中になりました。
林真理子さんの鋭いの女性の醜さや、腹の中で抱えているうっ憤の分析が、本当にいつも
楽しみで。

六条御息所といえば、プライドが高く、高慢さが鼻につき、さら後味の悪い事件を起こしており、
物語にでてくるどんなお姫様より、嫌悪感がありました。
ただ同じ女性として、自分を捨てた男ではなく、相手の女性を憎む点はすごく共感できるのですが、
特に結婚前の若いころは、気持ちが全く理解できなかったです。

月日が流れ、私も結婚して年を重ね、ちょっと人生を進めた時、この本に出会いました。
誰しもが若い自分は、自分の可能性や勢いを過信したしたり、ただ若いというだけでどことなく
自信があるのですが、やがて人生の夏が終わったあとのもの悲しさ。
その栄枯盛衰を表しているのが、六条御息所だと思いました。

そしていつの時代も女の悩みは似通っていて、それもまた面白かったです。
本家の源氏物語を読んでいなくても、ひとりの女性の物語として十分楽しめます。

六条御息所に対する見方が変わる一冊でした。