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音楽に明け暮れた青春の日々を「階段途中のビッグ・ノイズ」でもう一度

おすすめする本

階段途中のビッグ・ノイズ | 越谷オサム


21歳 | 女性 | 学生 | よしだ

放課後の教室、どこからか聞こえてくるギターの音。
青春時代の何気ないワンシーンや、学校という狭い空間で完結する人間関係に一喜一憂する、青臭くも一生懸命な日々を思い出す、そんな作品です。
「田高マニア」でギターをかき鳴らしていた兄に憧れ、県立大宮本田高校に入学し。廃部寸前・部室は階段の踊り場状態の軽音部に所属する高校二年の神山啓人。気が強く、ハチャメチャな行動力で軽音部存続のため啓人を引っ張りまわす九十九伸太郎。音楽的才能豊かだがやる気に欠ける軟派な青年鳩本優作。高圧的な顧問に耐えきることができず吹奏楽部を去った、ティンパニー奏者の岡崎徹。
4人の、どこにでも居そうな等身大の、否、少しだけ周囲から浮き立って敬遠されてしまっているような、そんな青年たちが学校中をロックの渦に巻き込んでいく様子は読んでいてむず痒く、爽快感と高揚感に酔いしれることのできる一冊です。
余談ではありますが、私自身本作品がきっかけで洋楽ロックを聴くようになりました。
Green Dayの「Basket Case」、Queenの「We Will Rock You」、KISSの「Rock and Roll All Nite」等、本作を読了した後は、きっと貴方も聴いているのではないでしょうか。
4人の青春を想いながら。