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ブーヘンヴァルト強制収容所で感じる強制労働者の思い

旅行先

ブーヘンヴァルト強制収容所 | ドイツ連邦共和国テューリンゲン州エッテルベルク


神奈川県 | 無職 | 27歳 | 女性 | のりべん

ドイツのブーヘンヴァルト強制収容所に行ってきました。

ブーヘンヴァルト強制収容所は、ドイツの都市ヴァイマールの外れにある強制収容所です。

ヴァイマール中央駅から山の中を走るバスにゆられること20分、緑ばかりだった景色の中に突然建物があらわれました。

バスから降りて、エントランスに向かいます。
敷地は、ちょっとした自然公園くらいの広さです。

最初に目に入ってきたのは、森の奥まで延びる線路。
説明書きを読むと、その線路は外からこのブーヘンヴァルト強制収容所にユダヤ人を連れて来たり、このブーヘンヴァルト強制収容所から他の強制収容所へ収容者を送ったりするために使われていたそうです。また、子供や病気の収容者はここからアウシュビッツへ運ばれることあったとありました。
木でできた荷台のような箱に詰まれ、ひどい環境だったので、輸送されている間に亡くなってしまう人たちも多くいたそうです。
生い茂る森の中へ消えていく線路を眺めながら、輸送された人たちの不安・恐怖を感じ、身震いがしました。

次に見えたのはいくつかの建物でした。
ドイツの普通の町中でも見かけるように、きれいな状態で残されていました。
収容者ではなく、職員や監視員のための事務所や住居だったようです。

小綺麗な建物ばかりだな、なんて考えながら敷地を進んでいると、3メートル以上ある塀と鉄の柵に囲まれたエリアが見えてきました。

ここはなんだろうと、入り口のところまでいくと、門にどこかで目にしたことがあるような文字が掲げられていました。

”Arbeit macht frei”(働けば自由をもたらす)とアウシュビッツ強制収容所で掲げられていたように、ここブーヘンヴァルト強制収容所でもナチスのスローガン”Jedem das Seine”(各人に各人のものを)が掲げられていたいたのでした。

つまりその門の先は、収容者が強制労働をさせられ、暮らしていた場所ということになります。塀の内側にはほとんど建物は残っていませんでした。一面砂利の空間がひたすら広がっているのみ。あるのは、収容者に関する遺品などが展示されているミュージアムだとか、ペナルティを受けた収容者が吊るされた柱だとかのみで、建物は殆ど残っていませんでした。終戦間際、ドイツ軍が証拠隠滅のためにすべて取り壊したそうです。

地面には建物の基礎の一部が残っていたり、弔いのためか、飲み物のキャップのようなものでダビデの星が形づくられていたり。

その場所であったことが、生々しく感じられ、足の裏から寒気がして、早く出たい気持ちでいっぱいでした。

旅行では、きれいな教会であるとか、町並みであるとかに行きがちです。しかし、こういった負の遺産を訪れることも大切だなぁと思いました。
予定の中に一つ組み込んで見るのも、良い体験となるのではないでしょうか。