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鎌倉ごちそう迷路 | 五嶋りっか
23歳 | 女性 | 自営業 | むぎまる
誰しも一度は「特別な存在」と自分を思ったことはあると思います。
学生の時は何かが他の人より優れていてもしかしたら自分はこの道のプロになることができる
特別な存在になるんじゃないかと、夢をみたでしょう。
ですが年を取るにつれて社会人になって
「自分何でこんなところにいるんだろう」
「なんでこんなところにいるんだろう」と
自分の会社にいる存在意義や、生きている意味がわからなくなっていく。
夢すら持てなくなってただただ、目まぐるしく変わる日常に流されているだけ…
こちらの本の主人公もその一人なんです。
特別な存在になることはおろか、何者にもなれない自分に腹が立っている主人公。
その心情は誰にでも突き刺さるもので書かれていて共感します。
挙句に会社からはリストラされて無職にもなってしまいます。
無職になって不本意にも自由時間を手に入れた主人公は鎌倉で職探し、自分探しをすることに…
心情を読み解く文章をかけるだけでなく、
鎌倉の風景を頭に思い浮かべることができるほど文章は繊細で読みやすい小説です。
日々の目まぐるしさを忘れさせてくれるほどに癒される文章です。
読み終わった時には心が軽くなり、明日からも頑張ろうゆっくりでいい。
何者になれないんじゃない。
何者かになっているのに「自分が気づいていないだけ」だと思うでしょう。