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今話題の作家、三秋縋の作品「三日間の幸福」を読みました。

おすすめする本

三日間の幸福 | 三秋縋


21歳 | 男性 | 学生 | いっくん

友人から「ここ数年でめっちゃ人気になった作家さんだからぜひ読んでみて」と言われ、彼のプレゼンにまんまと引っ掛かり思わず購入しました笑

内容は、かつて子供のころに自分は将来すごい人間になると思っていた主人公クスノキが、10年後にはただアルバイトするだけの学生になっていたところから始まります。

とある古書で「寿命を買い取ってくれる」という話を聞き、「こんな自分でもまだ多少の価値はあるだろ」と半信半疑で寿命を買い取ってくれるという場所に行きます。しかし、寿命を査定してもらった結果、残りの人生30年分でたったの30万円だったのです。つまり1年あたり1万円の価値しかなかったという事です。

自分の寿命の価値があまりに低かったのと、その先の人生に何の希望もないことを告げられた主人公はやけになってその寿命を3ヶ月残して売ってしまいました。

すると次の日から、監視役としてクスノキの寿命を査定した若い女性がクスノキと行動を共にするようになります。
初めは、ちょいちょい口を挟んでくる彼女の存在を煙たがっていたクスノキでしたが、彼女の生い立ちを聞いていくうちに段々彼女の事を許容するようになります。

後半では、かつて主人公の周りにいた数少ない友人や家族はみんな主人公の事を嫌っていることに気づきますが、それでも心を打ち明けあった二人は付き合うようになります。

最後は、クスノキは彼女のために、彼女はクスノキのために自分の寿命を売ってしまうのですが、2人で「残された3日間をどう過ごそうか?」と楽しそうに話すところでお話は終わります。

人生を扱ったテーマってすごく重い話になるのであまり読んでこなかったんですが、この作品は自分の人生の価値を考え直すとともに楽しく2人のやり取りを見ることが出来るのでとてもおすすめです!