「愛なき世界」なんてない。愛に溢れた世界。

海の中を思わせるようなキラキラとした青の装丁がとても美しく、思わず手に取りました。
三浦しをんさんの著書は何冊か拝読したことがありますし、中を数ページ流し読みした感じも、読みやすそうな印象を受けたので、迷わず読むことを決めました。
植物を研究する本村さんに、料理人見習いの藤丸くんが恋をする一見地味そうなお話なのですが、藤丸くんの何でも受け入れ吸収してしまうポジティブさ、本村さんの隠れポンコツっぷりがとても面白く、スムーズに読み進められました。
とは言え、植物の研究という理系のテーマなので、遺伝子の交配の説明はほとんど良く分かりませんでした。
それでも、本村さんがシロイヌナズの研究に没頭し、研究室の仲間と共に悩み共に喜ぶ姿はとても素敵に感じました。
特に私が羨ましいと感じたのは、緑の手の持ち主の加藤くんです。
私は本村さんのように、植物を愛し植物に愛されない性質なので、加藤さんが他の研究室の教授に叱られるくらいサボテンをたくさん増やせるのは本当に羨ましいです。
読み進めていくうちに、実写化するなら本村さんは女優の高畑充希さんだな、としか思えなくなったので、実写化の際はぜひ彼女を起用してほしいです。
丸メガネをかけ、気孔や松茸のTシャツを着る高畑充希さんが、ぜひ見たいです。