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2018年再販!忘れていた圧倒的な矢口高雄の画力!

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野生伝説 羆風 | 戸川幸夫/作・矢口高雄/絵


46歳 | 男性 | 自営業 | nanana

あの矢口高雄…といっても、若い方達はご存じないでしょうが、現在40代半ばのおじさんが小学生の頃夢中になった今では珍しい釣り漫画「釣りキチ三平」の作者として矢口氏は一世を風靡しました。
当時は普通の漫画だと思って見ていた「三平」も、今見直してみるとその圧倒的な画力、書き込みに腰が抜けそうになります。ここで断言しますが、現在の漫画にこれほど精密に書き込まれた漫画は存在しません。それくらい矢口氏の画力は圧倒的です。
この「野生伝説 羆風」は、1954年には直木賞も受賞した、動物に関する作品を得意とする戸川幸夫氏を迎えていることもあってか、私の想像する矢口作品とは少し異なり、かなり残酷な描写が含まれています。
1915年に起こった、日本史上最悪の熊害の実話が綴られており、か弱い妊婦だろうが、幼い子供だろうが、食糧不足のため冬眠しそこなった羆(ヒグマ)は容赦無く襲いかかり、7人を殺害するに至ります。
人間の側から見るとただの恐ろしいモンスターのような羆ですが、この作品ではと羆の側からの視点もしっかりと描かれており、作品に深みを持たせるのみならず、我々が普段忘れている自然のルールを思い出させてくれます。
残酷な描写が苦手という方にはお勧めできませんが、老若男女誰が見ても面白い作品だと思います。古い作品だとバカにせず、どうか一読されることをお勧めします。