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大人にこそおすすめの児童文学、ケストナー作「飛ぶ教室」。

おすすめする本

飛ぶ教室 | エーリヒ・ケストナー


37歳 | 女性 | パート・アルバイト | インゲ

ドイツの作家、エーリヒ・ケストナー(Erich Kaestner)は、大人向け、子供向け、両方の文学作品を書いています。
この作品は、児童文学です。
岩波書店から出版されている「ケストナー少年文学全集」の中の一冊で、この全集中、一番お気に入りの作品です。
ドイツの学校が舞台となっています。
ケストナーの文章はユーモアにあふれていて、読んでいてとても楽しいです。
まず、タイトルの「飛ぶ教室」で、「え、教室が飛ぶの?どんな内容?」と興味をそそられますよね。
この作品には前書きがあります。その中に、
「どうしておとなはそんなにじぶんの子どものころをすっかり忘れることができるのでしょう?そして、子どもは時にはずいぶん悲しく不幸になるものだということが、どうして全然わからなくなってしまうのでしょう?(この機会に私はみなさんに心の底からお願いします。みなさんの子どものころをけっして忘れないように!と。それを約束してくれますか、ちかって?)」
という部分があります。私は、子供の心を持ち続けるケストナーを、素晴らしいと思いました。
学校で起こる、子供の喜怒哀楽が込もった様々な出来事だけでも、十分楽しめる内容ですが、この作品の真髄は、大人にもドラマを持たせている点です。子供たちの日々の生活、大人たちに起こる意外な展開、この二本柱で、繰り返し読みたくなる作品となっています。私は、何度読んだか分からないほどです。
ちなみにこの作品は、八月に、涼しい景色の見える場所で書かれた「本式のクリスマス物語」です。夏に読めば、雪の中のシーンなどで、涼しい気分を味わうことができるし、クリスマスなら、雰囲気をさらにリアルに味わうことができます。どちらもお勧めです。