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100万回生きたねこ | 佐野洋子
45歳 | 女性 | 自営業 | ゆう
子供の頃に、なぜ猫が100万回も生まれ変わるのかがわかりませんでした。ですが、大人になって改めて読み直したとき、この作品がなにを伝えたかったのかが、やっとわかった気がしました。
100万回生まれ変わった猫は、決して別れを哀しんではいませんでした。
どれだけ飼い主が猫を愛し、猫との別れを惜しんでも、猫は泣くことはありませんでした。
その理由は、猫は飼い主を愛していなかったからではないでしょうか。
だから、何度別れを繰り返しても、猫は平然としていられたのです。
ですが、白猫と出会い、愛を知り、猫は初めて別れの哀しさを知ったのです。
生命というのは、去る側よりも去られた側の方が、もしかしたら哀しく、寂しいものかもしれません。
泣いて、泣いて泣き続けた猫は、そのときにやっとこれまでの飼い主の気持ちを理解したのかもしれません。
白猫の横で静かに横になり、猫はやっと長い長い旅を終えることができました。
この絵本は、生きるために何が本当に必要なのかを教えてくれている気がします。
愛する存在がなければ、人は生きていけません。
そして、孤独になることが、本当は一番怖いことなのかもしれないと教えてくれました。
白猫が旅立った後、猫は一人ぼっちの本当の切なさを知ったことでしょう。
子供の頃に読んだ時とは違う、胸の奥が熱くなるような感動を覚えました。