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賭ケグルイ | 河本ほむら原作・尚村透作画
22歳 | 女性 | パート・アルバイト | ぐるー
一見普通の高校生たちが通う「私立百花王学園」は、実はギャンブルが許されていて、勝者となるか、はたまた負け組の家畜になるかを決める、かなり狂った学園だったのです。その中で、登場人物たちがどのように生き抜いていくのか、ギャンブルを楽しむのか、利用するのか、それぞれの思いがぶつかり合って、交錯していくさまが面白いと感じました。
この漫画を面白くしているのはやはりギャンブルですね。最初は1000万円から始まるのですが、段々と金額がエスカレートしていくので、そのぶんギャンブルが苛酷になっていきます。カードゲームが中心だったのに、銃で命の駆け引きをしたり、毒薬やギロチンなどもうやりたい放題です。でも、もともとここにいる人たちは狂ってらっしゃるので(笑)無茶苦茶なルールでも見事に勝利していきます。そのぶっ飛んだ過程を見るのがやみつきになりました。
特に主人公である「蛇喰 夢子」はやはり一番狂っています。ギャンブルをする目的は、だいたいお金目当てだったり、権利の獲得だったりしますが、彼女はそんなことお構いなしで、とにかく”ギャンブルがしたい”ただそれだけが生きがいなのです。
なので、常人ではありえない行動に出たり、リスクを敢えて極限まで背負ったり、逆に自分が100%勝てる試合に納得がいかず、あえて負けたりするなど、予測不可能です。
それは彼女なりの信念があってなのか、それとも心の底から狂っているのか、謎が深いのが魅力的です。
登場人物たちはとても個性豊かで、勝敗が決まったときの顔芸は素晴らしく狂ってます。
ギャンブルというぶっ飛んだルールのなかで繰り広げられる群像劇、たまらない一品ですね。