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最遊記 | 峰倉かずや
32歳 | 女性 | 自営業 | テンゾウ
私が峰倉かずやさん著書の「最遊記」に出会ったのは15年前の事でした。いつも選ぶ漫画はいかにもフィクションだとわかるものやギャグ漫画で、限りなくリアルに近しい作品でも時代もの漫画でした。この漫画はストーリーも画もリアルで、色使いがため息がこぼれるほど美しいと思えました。色使いで惹かれた漫画に出会ったのは「最遊記」が初めてでした。
「最遊記」は中国の西遊記がモデルですが、話の大筋やキャラクターの名前が同じであるという点以外はあまり反映されていないものです。
ストーリーの細かい設定は「今を生きている人間」目線で進み、生々しい人間の感情や人間特有の仄暗さを明確に描写されています。特に人間が偽善で隠したいものや昔や今でも起こる事件に関する人間の心理を描く力はピカイチで、人間の汚さや虚しさ憤りをありのまま表現しています。あまりにも本当の事を描くので、目をそらしたくなることもありますが、この苦しささえも共に生きていかざるを得ないのだと自分自身の中に納められた時、生きていると実感できるのだと痛感しました。そしてお寺などで聞くお経に興味を持つ事ができます。漢字ばかりで何が書いてあるかわからなかったのに漫画の内容を理解しただけで、漫画のストーリーとリンクしていると気づくからです。人生や人間について考えたい人は是非読んでみてください!