巻をすすめるごとに面白くなっていく「聖女の魔力は万能です」

綺麗な絵柄に惹かれて手に取ってみた「聖女の魔力は万能です」。異世界トリップ大好きな私でも、若干、食傷気味になっている召喚巻き込まれストーリーで、最初はいまひとつだな思いました。
聖女である可愛い女子高生にくっついて拉致された主人公が、怒るのは当然ですが。それもあまり長続きせず・・・逞しく、異世界で生活を確保し生きていこうとするではないですか。確かに、それが健全で建設的ではありますが、まだアラサー独身女子なんだからもっと元の世界に執着して怒っていて欲しいなぁと、巻き込まれを上入れる速さにちょっとがっかり。これだと無数にあるトリップ系と変わらないな・・・と。
ですが、読み進めるうちに、実は巻き込まれたのではなく、本命が主人公であると発覚するではないですか！
そうなると話は変わってくるというもので、勝手ながらにも【聖女】であるからこそ、新しい世界を受け入れる精神を持っていたのだなとか、周囲とも上手くやれているんだなと、どこか釈然とせずモヤッとしたところもチートだったのだと思えば色々納得できました。
主人公・聖は頑張っているし、素敵な大人だし、真面目で頼りにもなる、まさしくヒロインなのに、なんだか消化不良ぎみになる・・・と感じていたところが解決されてからは、聖女として認識されることを嫌がりつつも妥協し上手くやっていこうとする姿や、それでも普通に仕事をして過ごしたいと主張する様子なども好感が増すばかりで、今後彼女がどんな立ち位置になっていくのか楽しみでなりません。
どうやらスローラブもはじまったようですし、今後の展開に期待しています。