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魔界転生 | 山田風太郎
25歳 | 男性 | 会社員 | かしわもち
この作者の作品の特徴は大抵の作品で忍者が出てくる事、その忍者達が使う忍法がとにかく奇天烈な事、エロとグロの描写が多い事。
その特徴が特に顕著に、魅力的に発揮されているのが「魔界転生」という作品です。
あらすじは、江戸時代を舞台に主人公の剣豪「柳生十兵衞」が、国家転覆を目論む「由井正雪」達の操る強者達を切り倒していくというもの。
これだけでは大して面白みが無いですが、出てくる強者達というのが「宮本武蔵」、「宝蔵院胤舜」などの主人公からすれば既に死んでいる筈の剣豪達、更にはあの「天草四郎」まで出て来ます。
これらの剣豪達はタイトルにもなっている忍法「魔界転生」によって蘇ったものですが、その術の仕込みや発動の描写がまたぶっ飛んでいる。
死の間際になってもこの世に強い未練を持つ人間と、術者が黒魔術を仕込んだ女性とを性交させる、その後1ヶ月程すると女性の体を突き破って死者が蘇る。
この「魔界転生」によって蘇ったもの達は生前より強い生命力と異常な残虐性を持ち、生前とは全く別の人格となってしまう、更には剣豪ゆえの闘争欲も増している為に主人公に勝負を挑んでくる。
これらの設定は有名な漫画「NARUTO」の忍術「穢土転生」や、歴史上の偉人達が戦い合う「Fate」シリーズを始め、様々な作品に影響を与えている事は所謂オタクと呼ばれる人で有ればすぐに分かると思います。
伝説の剣豪オールスターともいうべき豪華な面子、エログロ、ぶっ飛んだ設定など魅力たっぷりで、1960年代に書かれたとは思えないくらい古臭さを感じないので漫画やアニメが好きなら一度は読んでみてほしいです。