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1980年代の代表的な漫画家である萩岩睦美の優しく美しいファンタジー短編集

おすすめする本

魔法の砂糖菓子 | 萩岩睦美


45歳 | 女性 | 自営業 | ゆう

不思議な不思議な、まるで宝石のように美しく輝く作品が詰まっています。
タイトルにもなっている「魔法の砂糖菓子」は、望まない結婚をさせられるマリーが、過去を思い出すところから始まります。
病を患い、両親を亡くし、親戚に苛められる。そんなあまりにも哀しい人生を歩んでいたマリーが出会った美しい青年。
この青年がなんともいいんです。
おとぎ話の王子さまのようで、でも、どこか影を感じさせて、とても素敵なんです。
咳き込むマリーに、青年が優しく魔法の砂糖菓子をさしだすのですが、この砂糖菓子がまたとっても可愛いんです。
青年との時間は、マリーをひととき幸福へとしてくれました。
ですが、彼女は青年と離ればなれになってしまいます。
そして、大人になったマリーの元へ、あの美しい青年が現れるんです。
もうすべてを諦めた彼女の顔が嬉しそうに輝くのが、本当に美しいんです。
少女マンガと絵本を合わせたように美しいんです。
特に、ラストのシーンの不思議さはいつまでも胸に残ります。
最近のドキドキする少女マンガもいいですけど、たまには心がほっこりするような作品もいいです。
他にも、美しく優しいストーリーが収録されていて、心を少女の頃に戻してくれます。