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漫然とした不安が心を支配しているとき『檸檬』を手元に

おすすめする本

檸檬 | 梶井基次郎


22歳 | 男性 | 学生 | kuromato

 何か思い当たる節もないけど不安なとき、おススメの本です。 
 主人公は漠然とした不安を感じていました。今まで好きだった音楽を聴いても収まらない。今まで好きだった画本を開いても満足しない。ただひたすらにつらい、こわい、不安だ。こんな「得体のしれない不吉な塊」に心が苦しめられていた主人公ですがある八百屋で「檸檬」を手に取ります。主人公は普段は手に取らない「檸檬」を香ったり、そのレモンイエローの色彩を鑑賞したり。心躍らせます。主人公はそのまま、以前よく訪れていた丸善へ。しかし、ふとした瞬間にまた「得体のしれない不吉な塊」がどっと心にのしかかってきます。ただ、今回は違います。主人公は「檸檬」を持っています。主人公はある作戦を思いつき実行に移しました。具体的な内容は実際に読んでみてください。
 誰でも漫然とした不安を感じたことがあると思います。そして、自分のことを嫌いになることも。そんな方がこの本を読めば少しは足取りも軽くなるかもしれません。勿論、不安の原因がはっきりしている方にもおススメです。きっと、解決のための第一歩を歩みだすことができるでしょう。
 『檸檬』には表題作の「檸檬」以外にも、「ある崖上の感情」や「櫻の木の下には」などが収録されており、綺麗な文体で身も心も浄化される心地がします。
 若くして亡くなった梶井ですが、多くの著名人から高い評価を受けています。また、舞台の一つの丸善には作戦を実行しようとするファンが多く足を運びます。現在でも多くのファンに愛される名著を是非手に取ってみてください。