ドラマ化もされた奥田英朗氏の「ナオミとカナコ」一気読みした。

おすすめする本

ナオミとカナコ | 奥田英朗


41歳 | 女性 | 自営業 | mamimoko

百貨店で働いているキャリアウーマンのナオミと親友カナコが、DVをしていたカナコの夫を殺害し、
共犯者として生きていくお話です。
【ナオミとカナコの祈りにも似た決断に、やがて読者も二人の<共犯者>になる】
という本の帯に書かれていた言葉通り、「殺人」という罪を犯しているにも関わらず、
読み進むにつれて二人を応援したくなり、まるで共犯者かのようにドキドキハラハラします。

ドラマにもなりましたが、ドラマでは二人の心情があまり見えなかったからか、やはりテレビなので、
殺人の共犯者、殺人の肯定はできないのか、本の方が情報が多かったのか、
ドラマよりも本の方が感情移入でき、共犯者になったかのように思えました。

殺人は肯定はしてはいけないものだけど、DVだって犯罪で、そうするしかなかった心情にも同情すべきところが
たくさんありました。お話にでてくる李社長はとても魅力的で、お話にスパイスを加え、彼女がいなければ、
話は進みませんでした。人の縁っておもしろいなと感じます。

ラストシーンは本の終わり方が好きでした。ドラマでは捕まるのだろうというラストでしたが、
本では、逃げて自由になり希望をもてる、というイメージでした。
共犯者になりあっという間に読める事のできる本でした。現実逃避したい時におすすめの本です。