映画化もされた感動作。感動のラストを見逃すな!

おすすめする本

自虐の詩 | 業田良家


33歳 | 男性 | 会社員 | 王子

哲学的な作品の多い業田良家さんの1985年から連載を始めた作品で、コミックスとしては5巻発売されています。2007年には映画化もされています。
自分は再販された文庫の上下巻を読みました。読んだ当時はすでに映画化もされており、話題作ということは知っていました。
ただそれまでは業田良家という人を知らず、他の書籍を通じて業田良家という作者、自虐の詩という漫画を知りました。
それから手に入れて、早速読んでみました。
文庫本で厚みがありますが、4コマ調で上下2巻なのであっという間に読めるだろうと思っていました。

ただ、そうはいきませんでした。

反社会的なイメージの夫と、それに従う妻が主人公の作品です。
初めは淡々とギャグ漫画のように二人のエピソードが続いていきます。

その序盤は自分にはすごく退屈に思えてしまいました。眠気もグッと感じて、ページをめくる手がなかなか進まず大変でした。
話が中盤になってくると妻の方に視点があたり、学生時代のエピソードに変わってくるのですがそれでも退屈さは変わりませんでした。何度も読むのをやめようかと思ったほどでした。

しかしそれは全て布石でした。

終盤になるにつれて、展開はドラマチックとなり、それまでの退屈な序盤〜中盤の内容が一気に色がついていくような感覚でした。そこでやっとこの作品が「名作」と言われている理由を知ることができました。