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何が善で何が悪なのか?分からなくなる感覚に魅力がある

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東京喰種トーキョーグール | 石田スイ


32歳 | 男性 | 自営業 | 電気イルカ

東京には普通の人間のみならず、喰種と呼ばれる特殊な存在がいました。
この喰種は外見だけならば人間にそっくりではあるものの、身体能力が異常に発達しており、人間が普通に太刀打ちできる存在ではありませんでした。
また、食事については人間が食べるようなものは口にできず、喰種が食べるのは専ら人間だったのです。
つまり、東京に住み着く喰種は人間を殺しながら生きることが必要で、そのために人間は喰種の存在に恐怖を抱くようになります。
ただ、東京にはCCGという喰種を駆逐する警察のような存在もいたため、この作品では喰種対CCGという戦いが1つのみどころと言えます。
しかし、単なる対決だけを描いているわけではありません。
このCCGは喰種を憎む存在ではあるものの、当の喰種はなぜ自分たちを悪だと見なすのか?と本音では思っています。
特に主人公はその思いが強く、人間が動物を殺して食べるように喰種も人間を殺す、それの何がおかしいのか?という問いを実際にCCGにぶつけるのです。
人間が動物を殺すのは仕方ないが、喰種が人間を殺すのは仕方なくないという理屈に論理性を持たせることができない点に気付かされ、無意識に私たちの頭にある善悪というものが揺らぎ始めます。
どっちが正義で、どっちが悪という構図ではなく、どっちも正義のために戦うという戦争のような状況が描かれている点が特徴だと思いました。