ファンタジー小説の金字塔「フォーチュン・クエスト」、30年の旅の結末

おすすめする本

新フォーチュン・クエストⅡ11巻 ここはまだ旅の途中(下) | 深沢美潮


30歳 | 女性 | 会社員 | えみかる

長年続くファンタジー小説の最終巻です。私はこの「フォーチュン・クエスト」シリーズを、中学生のころから愛読しておりました。離れていた時期は多少あるものの、全43巻、すべてを追うことができたシリーズの最終巻は、なんとも感慨深いものがあります。
この最終巻では、主人公であるパステルが、未来に向けて新たな一歩を踏み出します。そんなパステルからは、「終わりを悲観的なものとしてとらえるのではなく、前向きに未来を見ていく」という心が見て取れました。それは、私が忘れかけてしまっていたものです。「フォーチュン・クエスト」シリーズを知ったときはまだ子どもだった私も、すっかり社会人。社会の荒波に揉まれて、疲れる日々を送っていましたが、この最終巻を読んだ今、みるみる力が湧いてくるような気がしました。力をくれたのは、主人公のパステル、そして元気いっぱいだった中学生の頃の私です。まだまだ私も何か新しいことができるぞと、久しぶりに未来を前向きに捉えることができたように思えました。
これから先、また人生に疲弊することが多いかと思いますが、そのたびに、この本を読み返そうと思います。
長年続く人気シリーズ、気持ちのいい区切りを入れることを決めてくれた深沢先生に感謝します。