心理学の観点から高校野球を描いた「おおきく振りかぶって」の奥深さ

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おおきく振りかぶって | ひぐちアサ


32歳 | 男性 | 自営業 | 電気イルカ

高校野球を題材にしたおおきく振りかぶってという漫画は、一見すると普通の王道的な作品に見えます。
しかし、実際に読んでみるとその奥深さに気付かされるのです。
この作品は実際に試合をしている当事者の心理面が非常に細かく描かれています。
しかも、主人公のチームのみではなく相手チームも同様であり、試合中に彼らが何を考えて、何をきっかけにどんな策を講じてくるのか?という部分が非常にリアルに伝わってきます。
野球漫画というのは世の中に大量にありますけど、ここまで細かく選手やチーム関係者の心理面を細かく描く作品はないのではないか?と思うほどに、そこにこだわっている感じがうかがえます。
このおおきく振りかぶってに関しては、作者が元々大学の心理学科で学んでいたこともあり、それが生かされた作品です。
心理学の見地から野球漫画を描いたらどうなるのか?を実践したような、そんな雰囲気に見えてきます。
高校野球という題材自体はよく見るため、一見すると真新しさは感じられないかもしれません。
しかし、漫画をずっと読んでいると他の作品との違いを実感できるようになっているので、おおきく振りかぶっては野球が好きな人であれば楽しめる可能性が高いと思います。