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リリコという全身整形のサイボーグのモデルのお話です。
映画化前からネットでもこの漫画はたびたび話題になっていて、気になったので購入して読んでみましたが、面白いです。
なぜってそれは全身整形だけではなく、リリコのゆがんだ性格がとても人間らしく魅力的で、何もかも冷めきっているように見えるのですが、それは愛が欲しいという叫びに聞こえました。
全身整形をして絶世の美女になり、モデルとして爆発的に人気があるのに彼女の心は満たされず、ちやほやされるしモテモテなのに外見目当てなだけのため本当の愛には恵まれず、整形はどんどん崩れるのでメンテナスを何度も何度もして、アシスタントたちをいじめて心を保つ、ぎりぎりの精神状態が伝わります。
そんな中整形した過去が週刊誌にバッシングされて、オクスリで意識もあいまいな中、彼女は失踪するんですよね、目玉を残して、、もうホラーですよ最後。
でもなんか憎めないんです、彼女の人間らしさと繊細にボロボロに壊れたハートが見て取れるからこちらまで胸が苦しくなるんです。
そして、若い、しかも整形なしのナチュラルなモデルが表紙を飾り、美にもモデルにも執着がない、リリコは美とモデルのためにものすごく執着してこれまでやってきたのに、なんて悔しくて、なんて気持ちだったのだろうと考えるとその心境が痛いほど伝わります。
リリコはやりすぎてしまいました。いろいろと。
リリコは壊れていました。
でも壊れて当然だし、壊れるのはリリコが普通の感覚を持った人間だったからです。
彼女の場合は美でしたけど、なんでもそうですよね、お金でも、地位でも、仕事でも、完璧主義者は特に、常に一番でなくてはいけなくて、ほかから見たらすごくうらやましいのにその立場にも満足できず悩み苦しむ。
人間って欲深くて、繊細な生き物だなと思います。
とにかく病んだ女の子の仏恩だストーリーを読みたい人にはお勧めです。私のお気に入りです。
