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ソマリアでの戦闘を描いた「強襲部隊」は戦争物に興味がない人にもおすすめ!

おすすめする本

強襲部隊―米最強スペシャル・フォースの戦闘記録 | マーク・ボウデン


36歳 | 男性 | 会社員 | 本大好きパパ

本書は1993年10月3日にソマリアの首都モガティッシュで発生した、アメリカ軍特殊部隊とソマリアの民兵による一昼夜の戦いを描いたノンフィクションです。

まずこの本の特徴は戦争描写のあり得ないくらいのリアルさです。著者の綿密で膨大なインタビューからなっている戦闘描写はまるで本当に戦場にいるかのような臨場感を与えてくれます。さらにこれがアメリカ軍だけではなく、ソマリアの民兵の視点でも描かれていることです。今なお、危険なソマリアに赴いてインタビューを実施した著者の行動力には感服せざるを得ません。

同様に兵士の心理描写も非常に細かく書かれており、仲間が次々と撃たれていく中での兵士の心理描写は、時には同じような恐怖を味わい、時には同じように仲間からの勇気を与えられます。

この本は映画「ブラックホーク・ダウン」の原作ですが、やはり映画は映画なので原作と比べると省略されていたり、映画用に過大描写となっているところもあります。また、映画ではソマリア民兵の視点からは描かれていません。そのため、どうしても映画だけではアメリカ軍は正義、ソマリア民兵は悪となります。

しかし、この本を読むとこのような軍事介入がいかなる時でも「ベストな解決手段」なのか? 疑問を感じるところもあります。自分たちが考える平和と、実際に内戦がおこり家族が殺された人が考える平和は違うのでは?という考えも沸いてきます。

ただ単に、戦争ノンフィクションだけではなくこれからの平和の在り方も考えることができる、非常に読み応えのあるノンフィクションです。