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可愛くて胸がキュンキュンなるのに、それさえも笑えてしまう「銀盤騎士」

おすすめする本

銀盤騎士 | 小川彌生


39歳 | 女性 | パート・アルバイト | Ns

カッコイイ青年の絵柄に、このタイトルなので、イケメンのスポコン漫画かと思っていました。もしくは、乙女ゲーム並みの、あまあま恋愛漫画なのかもとも。
けれど、実際は、笑いが絶えない胸キュン漫画! どんなお話なのかなと、気軽な気持ちでパラパラ拾い読みし始めたのですが、あっという間にはまってしまい、じっくり一気に全巻堪能してしまいました。
お話は、簡単に言えば、メンタルの弱いフィギュアスケーターの青年を、幼馴染の女の子が支えるお話です。しかし、ひと言で言えば、こんな風にありきたりな設定ですが…この「銀盤騎士」は一癖も二癖もあります。主人公にも、脇を固めるキャラにも、個性的な魅力がいっぱいで、悪く言えば結構騒がし過ぎるお話でもあります。
もう、主人公のひとり、「騎士」こと日本のエースといえるスケーターからして――なんで、どうして、幼馴染から魔法の言葉を貰わなきゃ滑れないのよ…。しかも、イケメンなのに、方言が強い…、陰気な発言がひどい…え、え? このギャップは、ギャグなの? 萌なの? ――と、この青年だけで満腹になります。なのに、脇のコーチ陣も、マネージャーも、アレコレ詰め込まれていて、少女漫画らしく胸キュン満載なのに、それさえも一瞬後に話笑える要素になっているから恐ろしい。
ハマらずにはいられないお話です。
展開としては、メンタルが問題な「騎士」くんが、どんどん成長し実力をつけながら、幼馴染との恋も進めていく王道さであるのに。こんなにも心を鷲掴みにされ、どっぷりハマったのは、素敵すぎる登場人物たちのお陰です。
ぜひとも、ピュアな二人の恋心を邪魔したり応援したりする外野にも注目しながら、読んで欲しい作品です。