「もやしもん」は読めば読むほど面白い作品!

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もやしもん | 石川雅之


27歳 | 女性 | 会社員 | 半田ふみ

とある農大を舞台に、「肉眼で菌が見える」という能力を持った主人公が活躍したりしなかったりする漫画・もやしもん。
私がこの作品に出会ったのは10代の頃で、その頃から「良い作品だなぁ」と思っていました。そして数年置きに読み返しているのですが…最近読み返し途中に気付いたことがあります。
この作品…年を重ねれば重ねるほど味わい深くなる!
10代の頃に読んでいた時、この作品の登場人物の多くは年上で、要はみんな大人に見えていました。だから、主人公が特殊能力を持ちながら、大きな活躍を見えないことに、若干やきもきしたりもしました。人間関係のごたごたや、活動の方針に関する衝突なども、読んでいて少しストレスに感じることもありました。
ところが、自分が年を重ねるにつれ、この作品の深さが分かるようになってきました。
まず、「主人公の活躍が少ない」なんてとんでもない!
彼は大学に入りたての少年でありながら、物語の端々で(主に潤滑油として)精一杯活躍しています。
また、美里・川浜という2人のキャラクターの「良さ」といったら!好きなことをとことん突き詰める点、行動力がある点、「後輩に奢らなきゃいけないから」とバイトを始めるところなど…どこをとっても素晴らしい。
金銭面・生活面で雑、といった欠点もありますが、数多の長所を鑑みれば愛嬌に感じられ、読めば読むほど彼らが好きになってしまいます。
また、この作品は後半にいくほど、雑学に関するうんちくの量が凄まじいことになっていきますが、そのあたりをぼんやりと眺めるのもまた楽しいです。
こちらが大人になれば、理解できることも増えますし、本当に何度読んでも楽しめる作品です。