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「拳奴死闘伝セスタス」、自由を求めて熱く戦う拳闘士たちにやっぱり感動します。

おすすめする本

拳奴死闘伝セスタス | 技来静也


39歳 | 女性 | 自営業 | とく

拳闘暗黒伝セスタスの続編としてスタートした「拳奴死闘伝セスタス」ですが、セスタスシリーズのしっかり考証された史実観と、現代ボクシングの融合はそのまま、よりバトルに特化した展開になっています。
セスタスシリーズの魅力を挙げると史実性、オリジナル性、キャラクター性とキリがありませんが、拳闘士奴隷と言う死と隣合わせの生臭い身分の中にも感じられる未来感が最高です。
闘技ですから必ず敗者が存在します。
敗者を単なる敗者のままにしておかない美徳がセスタスシリーズの最大の魅力だと思います。
特にヌミディアの拳狼と呼ばれ伝説の拳闘士として名を馳せた、セスタスの師でもあり育ての父でもあるザファルの言葉は、年を追うごとに染みるのではないでしょうか。
敗者であっても得られるものはあり人生は続く、でも勝者には勝者にしか得られないものもある。
一方勝利した先の賞賛と、虚無感、と拳闘漫画ながら、自分の人生観を強く揺さぶられます。
上手くいかなかったときや落ち込んだ時に、ザファルを師とも父とも仰ぐセスタスが純粋にひたむきに身分解放を求めて拳を振るう姿を見ていると、「もう一回、もうちょっと頑張ってみよう」と思える作品です。
前作に登場し、今作でも再登場してくれるルスカや皇帝ネロの動向は勿論、セスタスに敗れたエムデンの戦いぶりにも超期待しています。