おすすめする本
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 | 廣嶋玲子
39歳 | 女性 | 会社員 | rud-star01
「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」は、タイトルから連想できる通り、様々な駄菓子が出てくるお話です。
駄菓子屋に通ったことのある人にとっては、懐かしい駄菓子のお話かな、と思いきや、物語に出てくるお菓子は見たことも聞いたこともない、どれも不思議なものばかりです。
この本は駄菓子ごとの話のオムニバス形式になっているので、タイトルから気になった話から読むことができ、一話ずつ読んでも読みやすい構成と長さになっています。
見どころは、銭天堂に来れた人は駄菓子によって幸運になれるはずなのに、きちんと説明書を読まなかったり、調子に乗ってやりすぎてしまう人には、子供だろうと容赦なくしっぺ返しがくるところです。
必ずしもハッピーエンドにならないところが、教訓になるのだけれど、おしつけがましく無くて良いと思います。
不幸になってしまう人たちも、すごく悪いことをしているわけではなくて、どれも陥りがちなシチュエーションなのですが、だからこそ気をつけよう、と思わせる感じです。
女将の紅子さんのキャラクターがまたユニークで、にこにこしていて優しそうなのにピリッと釘をさしたり、昔の江戸言葉のような口調も、容姿も表情も貫禄たっぷりで、なかなか面白いキャラクターです。
銭天堂の駄菓子を作っているのが小さな招き猫たちなのですが、猫たちの成り立ちがまた面白いので、ぜひ読んでみてほしいです。
子供向けの本ですが、大人世代にもおすすめです。