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18年ぶりに新刊の出た十二国記シリーズを「月の影 影の海」から是非

おすすめする本

月の影 影の海 | 小野不由美


46歳 | 女性 | 会社員 | ちんまり

十二国記シリーズ第一作「月の影 影の海」は、陽子という女子高生が異世界に入り込んでしまう、いわゆる異世界トリップ物として始まります。

優等生だった陽子が意味も分からずたった一人異世界「十二国」に飛ばされ、助けてくれる人もなく戸惑い逃げ惑う前半から、ある人物と出会い、自分の本当の役割を知る後半まで一気に読ませます。

十二国記シリーズはどれも割とそうなのですが、特にこのシリーズ第一作は少女向けレーベルとして刊行されたとは思えない筆力・濃さ・そして前半の救いのなさで圧倒的な物を誇ると思います。前半部分は本当に読み進めるのが辛いですが、中盤で現れる友達がとても魅力的なので頑張って読んで欲しいです。

十二国シリーズは陽子をはじめとする各国の王や麒麟の話を描いていくシリーズです。

その魅力はしっかりと作られた世界観にあります。麒麟が王を選び、王が道理を失えば麒麟も王も死ぬという揺るがない骨子があり、法律や言葉など、世界を構築する小さな設定までしっかり練られています。

18年ぶりの新刊を読んだ時、設定忘れちゃったかもと思いましたが、すぐに世界に入って行けました。それはこの世界がしっかりと確立して読者の心の中に根付いているからだと思います。

人間の良い所も悪い所も併せ持つキャラクター達も魅力ですが、何よりも魅力的なのはこの「十二国」という世界自体だと思います。

読んだ事のない方は是非チャレンジしてみて下さい。密度の濃い世界が待っています。