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安定感抜群の宮部みゆき。「あんじゅう」は不思議系で他にはない世界感の一冊です。

おすすめする本

あんじゅう | 宮部みゆき


42歳 | 女性 | 会社員 | あんこ

時代物(江戸)の少し不思議なお話です。
読んでると目に情景がはっきり浮かんでくるこの作家さんが元々大好きなんですが、時代物系はいつもとまた違った味がなんとも妙で、最近はこちら系ばっかりはまってます。
この中でもこちらはイチオシの一冊。
タイトルの「あんじゅう」は、4話あるお話の3つ目です。タイトル名の妖怪チックな生き物と堅物先生との交流を通して、周りに起きる出来事を描いてあるんですが、何がこの小説が良いって、この「あんじゅう」がかわいすぎる!なんでこんな不思議な生き物を愛おしくここまで書けるのか!!
言葉らしい言葉も話さないし、実体?もよくわからないのに、コロンとした真っ黒なかわいい生き物が本のなかにしっかり生きてます。
初めては絶対信じなかった堅物先生も、この不思議な生き物の存在を受け入れていくんですが、こどものような好奇心をみせたり、人のことが少し怖いけど近寄ってみたりと、なんとかわいいこと!あんじゅうの存在の意味と最後の「おち」に、ひたすらキュンキュンし涙。読後余韻にかなりひたったなぁ…
読むと心洗われるしあったかくなるし、何とも優しい気持ちになれること間違いなし。
自分の心がカサついたときに、潤してくれるオススメの一冊です。