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砂糖には黒い時代があった『砂糖の世界史』

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砂糖の世界史 | 川北稔


31歳 | 女性 | 自営業 | まな

『砂糖の世界史』は岩波ジュニア新書の本で中高生向けに書かれていますが、大人が読んでも十分楽しめるし、勉強になります。
砂糖は身近な調味料です。スーパーに行けば低価格で購入することができるし、お菓子などに使われているし、貴重品というイメージがない食品です。
しかし、昔は砂糖が貴重でした。日本には奈良時代ころに入ってきたようですが、そのころは貴族しか口にすることができず、調味料として使うのではなく薬として使われていました。庶民も口にできるようになってきたのは江戸時代の終わりころです。今のように手軽に誰でも安く手に入れられるようになったのは最近のことなのです。
砂糖は甘くて夢のような食品に思えますが、実は奴隷によって作られていた暗黒時代があります。何万という奴隷が犠牲になり、砂糖が作られてきたのです。そして、奴隷を使う人たちは富を築いてきました。
普段に何気なく口にしているものの歴史を知ると食品に対する関心が深まります。もっと食事に意識を向けよう、もっと大切に食材を扱おうという気持ちが出て来るのではないかと思います。
タイトルに「世界史」とつくので難しそうに感じるかもしれませんが、中高生でもわかるように解説されています。