みなさまこんにちは!
会社を経営する上で、さまざまな取引が発生しますが、
「この経費はどの科目なの?」「この勘定科目はどういう意味?わからない…」と、悩まれている方は多いのではないでしょうか?
前回、減価償却についてご紹介しました。
こちらの記事もご覧ください。
【関連記事】「減価償却とは?減価償却のメリット・デメリットについて」
経理のお悩みのひとつに「勘定科目」が挙げられます。
「まず、勘定科目ってなんなの?」
仕訳の際に必ず使うことになる勘定科目について、詳しくはよく分かっていないという方もいらっしゃると思います。
勘定科目を正しく理解することで、事業の状態を正確に把握し経営状況を改善することにつながります。
今回は、「勘定科目とは?知っておきたい勘定科目のポイント」をお伝えします。
目次
勘定科目とは
会社や個人事業主などの取引で発生するお金の流れについて「何に使ったのか」「なぜ入金があったのか」などを、資産・負債・純資産・収益・費用として分類するための目印となるものです。
家計簿やお小遣い帳として考えてみると、電気代を払ったら「光熱費」、食料を買ったら「食費」など、帳簿に記入しますよね。
会社で行われた取引に対して勘定科目を付与することによって、特定の取引を分類したり、集計したりすることができます。
勘定科目が必要な理由
勘定科目が必要な理由3つ
財務諸表の作成
各勘定科目は日計、月計、年度計などで集計し、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成します。最終的に決算書類や確定申告書類、消費税納税申告まで影響する重要なものです。
経営状況の判断
事業に関する費用を勘定科目で分類することで、誰が仕訳をしても決められた形式で帳簿を作成できます。
勘定科目ごとに整理し、その数字をもとに、どのような取引があったのかなど、客観的にも理解しやすくなり、経営判断に役立てることができます。
税金の管理
法人税・租税公課・消費税など、企業に課される税金の計算には、適正な納税額を決定するために勘定科目が使われます。
勘定科目は、簿記を進める上で欠かせないものです。
勘定科目は5つに分類できる
すべての勘定科目は、以下の5つのどれかに分類されます。
資産
企業がその時点で持っている財産のことを「資産」といいます。資産は、次の3つに分けられます。
【流動資産】現金にしやすい
【固定資産】現金にしにくい
【繰延資産】長期間にわたり経営に影響がある資産
資産の勘定科目の具体例は、
・土地
・商品
・建物
・現金
・当座預金
・普通預金
・売掛金
・車両運搬具
などがあります。
負債
負債とは、将来支払う義務のある債務です。負債は支払期日によって「流動負債」「固定負債」に分けられます。
銀行の「借入金(負債)」で、「設備投資をして機械(資産)を購入する」という場合もあり、「資産=良いもの」「負債=悪いもの」というイメージをもつ方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは言いきれません。
負債の勘定科目は以下の2つに分けられます。
【流動負債】近い将来に支払わなくてはならない負債
【固定負債】1年以上先に支払う負債
・買掛金
・短期借入金
・長期借入金
・前受金
・未払い金
などが挙げられます。
純資産
純資産とは、資産から負債を引いたものです。
返済の義務がない純資産での割合が多いほど、安定した経営ができるといわれています。
・資本金
・資本剰余金
・利益余剰金
・自己株式
などがあります。
収益
収益とは、会社が事業などで得た収入のことです。
収益にも種類があります。
【売上高】会社が本業の事業で生み出した収入
【営業外収益】本業以外から発生する収入。預金利息など
【特別利益】会社の事業以外でたまたま発生した収入。固定資産売却益など
収益の勘定科目は、
・売上金
・売上値引高
・雑収入
・受取利息
・受取配当金
・貸倒引当金繰戻入額
などがあります。
費用
売上を上げるために使ったお金を「費用」といいます。
交通費や交際費、接待費などは、経費精算でよく目にしたことがあると思います。
費用の勘定科目は4つに分けることができます。
【売上原価】売上に対応する原価。仕入れ
【販売費及び一般管理費】一般に「経費」と呼ばれている費用はここです。販管費ともいわれています。
【営業外費用】本業以外で発生した費用。支払利息など
【特別損失】会社の事業以外でたまたま発生した損失。固定資産売却損など
費用の勘定科目は、
・地代家賃
・商品仕入高
・水道高熱費
・広告宣伝費
・保険料
・法定福利費
・交際費
・交通費
・従業員給与
などがあります。
知っておきたい勘定科目のポイント
勘定科目の名前は何でもOK
「勘定科目はこれを使わなきゃダメ」という法律上の決まりはなく、勘定科目の名前は、会社や個人事業主がわかりやすいものを自分でつけていいです。
具体的で、わかりにくい名前もいろいろありますが、あくまでも一例です。
勘定科目名は一度決めたら使い続ける
勘定科目の名前は何でもOKなのですが、同じ取引なのに毎回違う勘定科目を使って仕訳をするのはNGです。
会計の重要な決まりに「継続性の原則」というものがあり、一度決めた勘定科目は使い続けましょうというルールがあります。
勘定科目に迷ったら、前回の項目を確認しましょう。
勘定科目をきちんと整理をしよう!
勘定科目をきちんと整理することで、何にどれくらいの費用がかかっているのかがわかりやすくなります。勘定科目に関するガイドラインは金融庁などからも出されているので、そのガイドラインに基づいて勘定科目を設定してみるのもいいでしょう。勘定科目についての悩み・不安などは、信頼できる顧問弁護士や税理士に相談をしてみることも方法の一つです。