主流は無人営業?書店から考える新時代の幕開け

深夜無人営業の書店が増えている理由

三洋堂書店が深夜や早朝の無人営業を始めたというニュースが注目を集めています。無人営業とは、お店にスタッフがいない状態で営業するスタイルです。

特に書店業界では、以下のような背景が無人営業の推進を後押ししていると言われています。

  • 低い利益率に対する人件費の高騰
    書店は利益率が低く、スタッフを多く配置するのが難しい状況です。無人化することでコスト削減を図る動きが広がっています。
  • セルフサービス化が一般化
    顔認証ドアやセルフレジ、防犯カメラ連動システムなど、テクノロジーが発達し、無人店舗でも安全に運営できる仕組みが整ってきています。

無人営業の売上はどうなのか?

三洋堂書店では、2024年10月の売上の14%が無人時間帯からのものだったそうです。この数字を見る限り、深夜や早朝の需要がしっかりと存在していることがわかります。無人営業の主な顧客層は以下のような特徴があります:

  • 帰宅が遅くなるようなシフト勤務労働者
  • 日中に時間が取れない多忙な人

他業種への波及と法規制の影響

無人営業は書店に限らず、他業種でも増加傾向にあります。以下はその具体例です

  • スーパーマーケットや飲食店
    レジの大半がセルフ化されている店舗では、深夜の無人運営も視野に入れた取り組みが進んでいます。海外ではAmazonGOなども話題になりました。回転寿司も入店から会計までほぼセルフです。
  • 地域ごとの法規制
    一部の地域では法令により24時間営業が難しいケースもあり、三洋堂書店でも一定の時間に自動で閉店させるシステムが導入されています。

無人営業のメリットと課題

無人営業には以下のようなメリットがあります。

  • コスト削減
    スタッフを雇用する必要がないため、特に深夜帯の人件費を大幅に削減できます。
  • 効率的な運営
    テクノロジーを活用した運営により、トラブルやミスが減少します。

一方で課題も存在します。

  • 盗難や万引きのリスク
    防犯システムが発達しているとはいえ、完全にリスクをゼロにするのは難しいのが現状です。
  • 顧客体験の質
    店員がいないことで、「相談できない」「温かみがない」など、顧客体験の質が下がる可能性があります。

無人化の未来:本当にすべての店舗が無人になるのか?

レジがほぼセルフ化した今、次に来るのは完全無人化の時代かもしれません。しかし、無人化が進む中でも「人の手によるサービス」を求める顧客も一定数存在します。このため、全店舗が全時間帯で無人になるのではなく、人と無人のハイブリッド型運営が主流になるのではないか考えられます。

無人営業がもたらす可能性

深夜や早朝の無人営業は、時代のニーズを反映した画期的な取り組みです。飲食店や小規模スーパーから始まり、他業種へと広がるこの動きが、私たちの日常にどのような変化をもたらすのか、今後も注目していきたいところです。