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デザインは「簡単に安くできる」と思われがち
近年、CanvaやAdobe Express(AdobeのCanvaみたいなもの)のようなツールが一般にも普及し、誰でも比較的簡単にデザインを作成できるようになりました。この場合のデザインとは、チラシやバナーデザインです。
「デザインなんか素早く安くチャチャッと作れるでしょ?」という声もよく耳にします。
しかし、それは本当に正しいのでしょうか?
Canvaの登場がもたらしたもの
Canvaのようなツールが登場したことで、素人でもそれなりに見せられるデザインが比較的カンタンに作れる時代になりました。簡単なイベントの告知や商品やサービスの案内チラシなどであれば、Canvaで十分だとも思います。
ただ、ツール自体は簡単で便利なのですが、デザインやマーケティング的に「それでええん?」と思ってしまうクオリティのものも少なくありません。
デザインが「簡単に作れる」わけではない理由
デザインは軽〜い感じで依頼されることも多いですが、実際にデザイン案を作るためには、以下のようなプロセスが必要です:
- クライアントの要望を理解し、最適な配布方法やデザインコンセプトを考える。
- アイデアを何パターンも出し、それを形にする。
- 何度も試行錯誤し、やっとクオリティの高いデザイン案が完成する。
このプロセスを軽視して「チャチャッと作ってみてください〜。納期は今日中で〜」は非常に残念なことです。
「今日中にデザインが欲しい」という依頼の実情
「急ぎでデザインが必要だ」といった依頼も珍しくありません。しかし、プロのデザイナーが行う作業は、ただ形にするだけではありません。デザインの効果や反響まで考慮して作られます。
特に、チラシのデザインでは、「営業マンが手配するのか」「店舗で配布するのか」「ポスティング」「新聞折込」など、利用シーンごとに異なるアプローチが必要です。
急ぎの仕事となると、何かを削る必要があります。
効果が出ない販促物を作っても意味ないですよね。
プロのデザインには「見えない努力」がある
結局のところ、クライアントが目にするのは完成した最終デザイン案だけかもしれませんが、その裏には:
- コンセプトを練る時間
- 複数のアイデアを試す時間
- クライアントの目的に沿った最適化の努力
といった見えない労力が存在します。「見えない努力」にどれだけの時間と価値が詰まっているのかを少し考えてみるだけで、「安くて早くて効果抜群のデザイン」なんてものは存在しないということが見えてきます。
こういった部分が昨日今日デザイナーを語りだしたCanvaデザイナーとの差なのかなと思います。
デザインに価値を見出すために
デザインは、ただの「形」ではありません。それはクライアントの目的を叶えるための「手段」であり、その過程には多くのプロの知識、経験、ノウハウが詰まっています。