鼻水や鼻づまりは日常茶飯事ですね。
花粉症の時期なんかはティッシュと目薬が手放せません。
そんな鼻水鼻づまりですが、実は怖〜い病気のサインかも知れませんよ。。。
中でも要注意なのが鼻水の出ない鼻づまり。
死をも招く危険な病の可能性が!?
その病の患者数は25年間で約6倍にも増えているそうです。
以下はある患者さんの症例です。
【1】朝起きると鼻づまりが・・・
耳が詰まったような感覚を伴う強い鼻づまりが、気になるので鼻をかむが鼻水が全く出てこない。
何度もかんでいると粘り気のある青っぱなのようなものが出てくる。
特に熱っぽさやだるさはないようです。
ちょうど4月頃だったので花粉症を疑いマスクをする・・・。
鼻づまりを感じて1ヶ月、相変わらず鼻水の出ない鼻づまりは良くならない。
強い鼻づまりのせいで味覚もおかしくなってきている。
【2】噛んだ歯の周辺が痛む
噛みごたえのある物を食べるとズキンとした痛みを感じる。
歯が悪いのだと思い歯医者へ行くと虫歯があったので治療をする。
【3】歯茎に鋭い痛み
歯医者で教えてもらい歯間ブラシを使う。が、歯茎に強い痛みが!
歯茎を針でこすられたような痛み。。
そして歯の治療から1週間後の朝、
【4】関節痛
太いトゲが刺さるようなするどい痛み。
起き上がろうとすると痛みは全身の関節に及んでいた。
整形外科を受診するが、レントゲンでも特に悪いところは見つからない。
全身の関節に鎮痛効果のある湿布を貼ると少し良くなるが重い物を持ったりすると痛みがすぐぶり返す。
この頃からだるさや熱っぽさも感じるようになる。
そして謎の鼻づまりから3ヶ月、朝いつものように起き上がり歩こうとすると
【5】両足の裏に激痛
まるで剣山の上を裸足で歩いているような痛み。
【6】鼻血
鼻をかんだだけで鼻血が出るように。
ようやくわかったこの病気は
目次
ウェゲナー肉芽腫症
ウェゲナー肉芽腫症とは、リウマチや膠原病(こうげんびょう)といった自己免疫疾患の一種で、主に免疫細胞が何らかの形で誤作動を起こし、正常な細胞を攻撃してしまう病気です。
この病気の特徴は全身の血管を攻撃し、血管に炎症を起こします。
こうした病を血管炎という。
血管炎
放っておくと肺や腎臓の血管にまで炎症が進み呼吸困難や腎不全を招くこともある。
ウェゲナー肉芽腫症のサイン
そんな危険な病気であるウェゲナー肉芽腫症にいち早く気づくことができるサインこそが、あの鼻づまりだったのです。
鼻水の出ない鼻づまりこそ「よくある不調」ではなくウェゲナー肉芽腫症のサインだったのです。
ウェゲナー肉芽腫症の特徴は、血管の炎症を起こす際の副産物として肉芽種という特殊なできものを作るということ。
理由はハッキリとしていませんが、特に鼻、耳、眼球などに多く肉芽種を発生します。
肉芽種が耳にできると、耳痛や難聴といった症状。
同じく目にできると眼球突出や視力低下など。
鼻にできると鼻づまり。
この方が鼻づまりの際に強くかんだ時に出てきた粘り気のある青っぱなは肉芽種から出た膿の一部だと考えられます。
また、口の中や歯茎に激痛が走ったのは鼻の炎症が進み全体に痛みが出たのです。
血管の炎症は身体中の関節や足の裏の神経にまで広がることで全身の関節痛や剣山の上を歩くような激しい痛みに襲われたと考えられます。
残念ながらこの病の原因はまだ分かっておりません。
有力説としては環境汚染や体質が疑われているようですが。。。
1987年には283人だった患者数がここ25年で1834人と約6倍にまで増えています。
厚生労働省では1984年から研究班が立ち上がり、原因や治療法の研究がされています。
このウェゲナー肉芽腫症にとって何よりも大事なのは早期発見!
・鼻水の出ない鼻づまり
・口の中の痛み
・関節痛
・足裏の痛み
このような症状が起こったら耳鼻咽喉科やリウマチ・膠原病内科を受診しましょう
また、血管に炎症を起こす血管炎は実に20以上の病があります。
・ウェゲナー肉芽腫症
・顕微鏡的多発血管炎
・チャーグストラウス症候群
・ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
・過敏性血管炎
・クリオグロブリン血症性血管炎
・皮膚白血球破砕性血管炎
血管炎の多くで共通して現れる症状は「ひざ下の発疹」です。
血管炎の発疹の特徴としては紫色で少し盛り上がっており、痒くはないとのことです。
押すと痛みが出るのも血管炎の特徴です。
非常に辛い病気なので小さなサインでも見逃すことなく早期の発見で治療を行えば比較的症状の軽いうちに回復に向かうようです。