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あまりに荒唐無稽な世界観になぜか勇気づけられる「粘膜人間」が面白かった。

おすすめする本

粘膜人間 | 飴村行


39歳 | 男性 | 会社員 | ふじわらまさちか

ホラー小説大賞という賞に入賞した作品を片っ端から読んでいた時にこの「粘膜人間」に出会いました。
この作品は万人に薦められるものではありません。あまりにもグロテスクやエロ、ナンセンスなどの要素が強くて刺激が強すぎるからです。
しかし私にはとてもハマりました。世界観がとても良くできていて最初の10ページでこれは面白い!と思いましたね。
文章はとても上手くて文章を読むと自然に頭の中に情景が湧いてきて映像が浮かぶんです。だからサクサクと読めて全然疲れません。
物語は三兄弟の三男坊が小学5年生にもかかわらず暴力的になり父親や二人の兄にも暴力を振るう。しかしそんな三男坊を誰も止められないのです。
なぜなら三男坊は顔ばかりは幼い鼻たれ小僧なのですが、体は異常に発達していて身長195㎝、体重105kgの巨漢なのです。
筋骨隆々でパワーも並外れているのです。
そんな三男坊に苦しめられ、二人の兄は三男を殺すことを決意する。自分たちではとても殺せないのである化け物に依頼するというストーリーでこの荒唐無稽な設定に笑えて仕方ありませんでした。
物語は最後まで刺激だらけで読んでいると脳がくらくらして愉快な気持ちになってくるんです。とても楽しんで読めて生きる気力すら湧いてきましたね。ラストの終わり方も完璧でした!
わたしにとっていい読書体験となりました。しかし最初にも書きましたが誰にでも薦められる作品ではありません(笑)