皆様こんにちは!
会社を経営する上で、理解をしておかなければならない「勘定項目」
前回、「勘定科目」についてご紹介しました!
【関連記事】「勘定科目とは?知っておきたい勘定科目のポイント」
「勘定科目は自分で作ってもいいの?」
「あまり使わないほうがいい勘定科目があるの?」
まだまだ悩むことは多いと思います。
今回は「勘定科目は自由に作れる?使ったほうがいい勘定科目」をご紹介します。
目次
勘定科目は自由に作ってもいいの?
答えは、「勘定科目は自分で自由に作ることができる」です。
しかし、確定申告や税務に関する作業に慣れていないうちから勘定科目を自由に作ると、計算が難しくなったり、申告する作業が面倒になります。
起業したばかりの経営者や個人事業主は、「確定申告は税務署に申告するためだけのもの」と思う方が多いです。
事業を続けて2~3年も経つと、「自分の事業を分析したい」「会社の費用の無駄をなくすために確認したい」と思うようになります。
最初から、勘定科目をむやみに増やさず、会計の見直しを行う際に「諸会費」「取材費」など、事業に応じた勘定科目を増やすといいでしょう。
使ったほうがいい勘定科目
「自分の事業を分析したい」方や、フリーランスで仕事をしている方へ!自分の事業の経理に役に立つ、使ったほうがいい勘定科目をご紹介します。
研修費、図書費
損益計算書の「経費」の勘定科目です。
経費という項目でまとめてしまいがちですが、
「研修費」・・・研修、セミナー受講費、事業の勉強会参加費
「図書費」・・・事業に関する参考書代など
という項目でわけてみてはいかがでしょうか。
フリーランスは、「自分のスキルアップのため」や「自己の成長のため」に、定期的にこのような支出があると思います。
「研修費」や「図書費」などは、自分のためにこれからもかけるべき費用です。自分のスキルアップのためにどれだけお金をかけているのかなど、その都度チェックできるので、使うべき勘定項目です。
諸会費
損益計算書の「経費」の勘定科目です。
商談、企画、営業や会議や打ち合わせをしたときに使うのが「会議費」ですが、飲食代やお菓子やお茶代など、会議以外での出費も多くなりがちです。
これらを「接待交際費」として処理する人が多いかもしれませんが、どんどん「接待交際費」が増えていってしまいます。
あまりにも金額が大きくなると、私用でのものも混じっているのではないかと、税務署に思われてしまうかもしれません。
きちんと会議や打ち合わせにかかるお金は、接待交際費ではないので、「会議費」などにして処理をするようにしましょう。
会議や打ち合わせなどで使っているお金がどれくらいなのか、わかるようになります。
車両費
損益計算書の「経費」の勘定科目です。
車に関する費用を経費として分けることが多いと思います。
車にかかる費用を挙げると、
・自動車税
・ETC代
・車検
・修理代
・ガソリン代
・駐車場代
・自動車税
・洗車
・部品代
など、それらの費用をたくさんの項目に分けることができます。
それぞれを「保険料」や「修繕費」などに勘定項目で処理をしてもいいのですが、車に関する費用をまとめて「車両費」にすることで、車を維持するためにどれだけお金がかかっているかを把握することができます。
事業によっては、公共交通機関を使ったり、自転車を使ってみるなど、車以外の選択肢を選ぶこともよいと思います。
使わないほうがいい勘定科目
使わないほうがいい勘定科目もあります。
仮払金
貸借対照表の「資産」の勘定科目です。
会社が事前に従業員にお金を支払うことがあります。このように、事前に経費についてのお金を支払うことを「仮払い」といいます。
最終的にかかった金額がはっきりしない費用を概算で支払った時に「仮払金」という勘定科目を使って処理をします。
いったんは良いのですが、仮払金の処理は、すでに仮払いをしているにも関わらず、従業員が立て替えたものと誤って清算したり、重複して従業員に支払ったりしてしまうケースがあります。
仮払金が決算書に残っている経理は、「機能不全に陥った経理」などと思われてしまいますので、仮払金を使用を控えるか、「正しい勘定科目と金額がはっきりしたら、すぐに振り返り、処理を行う」ことを心がけましょう。
事務用品
「事務用品費」とは、鉛筆、ボールペン、はさみ、ファイル、付箋など、事務作業で使われるものを購入した時に使用する勘定科目です。
会計ソフトの初期設定上は目にする勘定科目なのですが、みなさんは「消耗品」との区別をつけられますか?
「事務用品費」と「消耗品」との違い
「消耗品費」は、文房具以外の少額の備品を処理する時に使用します。
・トイレットペーパー
・タオル
・清掃用品
・洗剤
・石鹸
などが、「消耗品」です。
事務用品費か消耗品費かの区別が分からない場合もあり、悩む項目でもあります。
「付箋を購入した時には○○費で処理する」と自分でルールを決め、継続的にその勘定科目を使用するようにします。
借入金
貸借対照表の「負債」の勘定科目です。
銀行や他人などからお金を借りた際に使う科目です。
借入金に金額を記入するだけでは、
・どんな借入金なのか、
・長期・短期の借入金なのか
など、返済期間がわかりません。
「長期借入金」「短期借入金」などに細かく分けると、企業の財政状態を分析できるので、銀行から融資を受ける際の審査の判断材料になります。
雑費
損益計算書の「経費」の勘定科目です。
雑費とは、事業で支出した経費に適切な勘定科目が当てはまらない、などの際に使用する項目です。
・お守りや御札代
・キャンセル代
・臨時的な清掃費
など、事業上の支出の場合に、新たな勘定科目を設定する必要もないので雑費として処理をします。
「その勘定科目で処理をすればいいかわからない ・・・」迷ったら雑費で!と、雑費の金額が多くなっていくと、税務署からは「しっかりと帳簿を作っていない」とみられてしまう勘定科目でもあります。
雑費が多いということは、事業活動に関係のない支出が多いのではないかという疑念を生みやすく、税務調査の引き金になる可能性もあります。
できる限り金額も少額にしておくか、使わないようにしたい項目でもあります。雑費で処理をする場合には、必ず摘要欄に詳細を記入するようにしてください。
わからないときは顧問弁護士や税理士に相談へ!
青色申告決算書に勘定科目を追加する際は、空欄の箇所に記入、会計ソフトを使った勘定科目の登録は、慣れた方でしたら作業自体は3分ほどで完了します。しかし、カテゴリにどのような名前の勘定科目を設定するか悩むと思います。
わからなくなってしまったら、顧問税理士や税理士に相談することをオススメします。経営に応じた税に関するアドバイスを受けることができます。