神戸三宮で集客のお手伝いをしている(敷居の低い)会社です

ほのぼのした外見と実用的な中身、五箇山の合掌造り集落

旅行先

五箇山 | 富山県南砺市


千葉県 | 自営業 | 42歳 | 女性 | キムスティ

2019年3月。本来、中国人の友人が富山に赴任予定だったので、会いに行ってついでに観光をしようと思っていましたが、彼女の会社の事情で富山赴任はキャンセル。でもわたしは富山行きを決行し、1人で観光に。中でも五箇山(ごかやま)はなかなか楽しいところでした。

富山駅の目の前にホテルを取っていましたが、そこからまずはあいの風とやま鉄道で高岡駅まで。
バスの切符売り場は9時オープンだが、8:10出発のバスに合わせて、その前の数分間、窓口が開いてくれます。
乗ったバスは「世界遺産バス」という、なかなかおどろおどろしい名前のバス。「五箇山フリーきっぷ」というのを手に入れます。フリーとはいっても本数が少ないからそんなに何度も乗れるわけではないです。ほぼ往復切符だと思っていいでしょう。

切符売り場が気を利かせて早くから開いてくれているのに、こんなに前もってきちんと切符を買っている乗客はわたし1人だけでした。そもそも乗客の8割がたが、日本語のできない欧米人の観光客。運転手のほうがむしろ慣れた感じでWhere are you going?など英語を話しながら、車内で切符を売り、慣れた手つきでパンフレットを乗客に手渡していました。
お隣岐阜県の白川郷が流行っているのか、皆さん白川郷まで行くようでしたけど、あくまでも富山にこだわるわたしは途中の五箇山で下車。
1995年にユネスコの世界遺産に登録された五箇山。険しい山々に囲まれたこの地は、1年のうち5か月は雪に閉ざされています。昔々、こんなに道路が整備されバスが走ったりなどしていなかったころは、罪人の流刑地だったそうです。
2つの合掌造り集落のうち、小さいほうの菅沼(すがぬま)からGO。

バスを降りたのはわたし1人。目の前は、、、緑の水をたたえた湖?!ただ、どこへ行こうにも、バスが通る道路のほかには行けそうなのは1か所しかありません。足の向くまま歩いていたら突然現れる、合掌造りの集落。

はっきり言って、かわいい!なんだか絵本に出てくる、「おうち」っていったらこんなものかな、という形の家々。
もっともこの急傾斜の屋根はかわいさのためではありません。雪が屋根にたまらないようするための知恵だそうです。
民俗館というのがあるので入ってみました。

これが印象的だった「五箇山の籠の渡し」。昔の交通手段。これで渡るのが怖いから、よほどのこと(流刑とか)でなければ外への出入りはしなかったのでは・・・?

集落をぐるっと回り、さらに車道のほうに上がって上から集落を見渡してカメラに収めたら、もう見終わってしまいます。小さいですがインパクトは強烈。

昼食はささら館近くの食事処でこちら。固いといううわさの五箇山豆腐ですが、決して固くはありませんでした。上品な風味でおいしい~

その近くの村上家では、屋根裏で養蚕していたところを見せてもらえます。

1階でいろりに火をつけると、下でお湯をわかしたり暖房になったりするだけでなく、上の階で蚕にとっていい気温になり、煙がよけいな虫を退治するというわけです。この仕組みは不思議にも千葉県柏市のどこかのお屋敷にもあった気がします。

もう1つの相倉(あいのくら)集落は少し大きく、23戸の合掌造りの家があります。3月31日だというのに雪がまだ残っていました。集落入り口にはまだかんじきのレンタルをする小屋がありました。もちろん不要ですが、10日ぐらい早かったら必要だったのでしょう。集落が少し大きいので、全景を見ながらぐるっと散歩。ふだん部屋にこもってパソコンを相手することが多いから、この深い山の景色は貴重です。

 

散歩もほぼ終わりかなというころ、急に大雨が降ってきました。ちょうどいいところに資料館があったので飛び込みました。(写真はありません、それどころではなかったので・・・)ほかの見物客はいなくて、係の女性がわたしのためにストーブをつけてくれました。ザーザーザー、雨が合掌造りの屋根を打ちます。藁葺きだから水が漏れたり染みたりしそうなものですが、そんなことはありません!
「すごい!こんな雨でも水が漏れて来ないんですね!」そう言ったら、女性は、「大雪だって平気なのよ」でもわたしは、水漏れという点では雪より雨のほうが漏れそうな気がしましたから、やっぱり感動しました。もう少しいたかったですが、帰りのバスを逃すわけにいかないので、雨が小降りになってきたところで資料館を出てきました。
今回は初春でしたが、次は別の季節に行ってみたいです。